『くらべてびっくり恐竜展』、板橋区立教育科学館 [恐竜・古生物]
カメレオンも飼育している科学館!!
ということで、絶滅種でなく生きた爬虫類を何種類も見られる東京都の板橋区立教育科学館へ。
2014年7月31日から8月31日まで『くらべてびっくり恐竜展』が開催されており、会期2日目である8月1日、さっそく訪問。
正面玄関から入ると、図鑑の拡大コピーがいくつも視界に飛び込んでくる。天井から釣り下げたり、壁に貼られていたり。
枚数も多いので、展示の説明としてというより恐竜の説明として強く力を発揮している。
図録ではなく市販の図鑑を使う恐竜展というのは珍しいが、不思議と味がある。
まず板橋区立教育科学館は常設展として、トリケラトプスの頭骨やエドモントサウルスの脚骨の実骨などが展示されている。
様々な恐竜展や博物館で見掛けることの多い2種であるが、近距離でじっくり見られるというのが利点である。
また2階にもレプリカながら、アルバートサウルスの前肢やティラノサウルス・テリジノサウルスの爪、トリケラトプス・カマラサウルス・トロオドンの歯など、普段から「くらべる」ことのできる展示がしてある。
常設されているトリケラトプスの頭骨と比べるようにして展示されているのが、ティラノサウルスの頭骨。ティラノサウルスのなかでは一番目にすることが多いであろうSTAN(BHI 3033)標本である。
頭骨の横には「STANってなんだ?」思われる人のため、STANの説明や特徴が色々と書かれた説明ボードが設置してある。下顎の穴や、病理の跡など、写真つきの解説。
ティラノサウルスは頭骨だけではなく、もう1つの「くらべてびっくり」として40本以上にも及ぶ歯がならべて展示してある。1本単品だけでは伝わってこない、生える位置による太さや長さなどの違いなどを比較することができる。
さて、ティラノサウルスの歯の写真でもピンときた方もいるであろうが、
今回の恐竜展では展示物をガラスではなくアクリル板で囲っている。
反射が激しく、傷も目立ち、あまり写真撮影には向いてはいない。今後の写真も、その点をご了承いただきたい。
・ケラトサルウス(とアロサウルス)の頭骨
・タニコラグレウスとラプトレックスの頭骨(頭骨と推定全長の比較)
・ステゴケラスとプシッタコサウルスの頭骨
・プシッタコサウルスの全身
・ヴェロキラプトルの爪
・ディメトロドン(双弓類)とリストロサウルス(単弓類)
ブログに載せた写真は、展示されているものの一部である。
様々な恐竜展や博物館へ行っている人からすると、珍品はあまりなく、見たことあるものも多い板橋区立教育科学館の恐竜展であるだろう。
会場そのものは大きくはなくても、常設展を含めると点数はなかなかである。
実骨や大物の数は少なくとも、獣脚類の頭骨や爪など「かっこいい!」と言われる人気の高いものが多い。
今回の展示物は、富田京一さんが所長を務める肉食爬虫類研究所やパレオサイエンス社の所蔵品が多く、設営も大きく携わっている。
またティラノサウルスの歯一式は恐竜辞典のイラストなどをなさっている伊藤恵夫さんのものであるなど、個人の協力によって支えられているところもある。
大きな展示ホールで開催されるのとは違い、特別な恐竜みやげもない商業的な要素の薄い恐竜展。田舎や郊外というわけではない都心の住宅街という土地に建てられた区立の科学館がみせた、夏休み期間中の穏やかじゃない力作であろう。
ヨコハマ恐竜展2014が遠く、哺乳類より恐竜がいいというお子様がいる家庭は、「せっかく無料で見られるのだから」と気軽に足を運んでいただきたい。