ダイノワールド2015、初日訪問 [恐竜・古生物]
メガ恐竜展が竜脚類などの巨大脊椎動物が多いなら、ダイノワールド2015は獣脚類がメインといえる。
特にアロサウルスは復元・産状・ロボットをあわせて何体いたのかわからない。
趣旨が違うとは言え、昨年のヨコハマ恐竜展2014の倍以上の全身骨格はあるだろう。
まず入ってすぐには、タニコラグレウス(左下)VSケラトサウルス(右上)の懐かしい闘争化石。『世界の巨大恐竜博2006』で観て以来なので9年ぶり。あのときより、2匹の距離が近い。
・タニコラグレウス(Tanycolagreus)
・ケラトサウルス(Ceratosaurus)
続いて、アロサウルスの産状化石をアロサウルスが見つめるというもの。
普通は頭の向きを同じにして並べるのですが、あえて今回のような展示にするような趣向、私は好きである。
・アロサウルス(Allosaurus)
その後、一部に値札がついたままの三葉虫やアンモナイトを経て、
新種と思われているモササウルスの全身骨格。
・モササウルス(Mosasaurus)
このモササウルスに限ったことではないのだけれど、どの部位が発見され、どこを実骨展示しているのかが不明瞭なものが多い。だからこそ、目をこらして探す楽しみもある。そうしてもらうかのように、キャプションに望遠レンズが設置してあるものもあるくらいである。
・ガルゴイレオサウルスの頭骨(Gargoyleosaurus)
・マジュンガサウルス(Majungasaurus)
レアものであるガルゴイレオサウルスの頭骨などをはさみ、今回の2枚看板の1つである。1998年にサウスダコタ州北西部にて発見されたティラノサウルス・レックスの亜成体、通称〝ティンカー〟である。図録が販売されていないので実骨部位などの情報がないけれど、現地では360度観察することができる。メインの恐竜をグルっと一周できるようにしてあるのは意外と少なく、実に嬉しいつくりである。
・ティラノサウルスのティンカー (Tyrannosaurus "Tinker" )
標本展示スペースとしては最後になる、トルボサウルスがいるゾーン。
他にもティプロドクスとして最初に発見された種であるロングス種、アロサウルス・フラギリス、ケラトサウルス、カンプトサウルス、大小様々な標本があり、見所も多い。
・トルボサウルス(Torvosaurus)
・ディプロドクス・ロングス(Diplodocus longus)
・カンプトサウルス(Camptosaurus)
・アロサウルスの大腿骨(Allosaurus)
設営などの準備が追いついていないのか図録や音声ガイドはないものの、
統一感よりも様々な恐竜を詰め込むことが重視された恐竜展であった。その上、大胆にも実骨を飾っている展示も多いようなので、驚いてしまう。
キャプションや解説が少ないのは残念であれ、その反面で局地的に人がたまって渋滞になることもなく、全体として見やすい恐竜展であった。
冒頭にも書いたがティラノやアロなどの獣脚類が多めであり、獣脚類が好きな方も多いだろう。私もそうだ。
そもそも、そもそもだ。
こんなことを言っては申し訳ないが、諸々な目や耳にする事情から今年のヨコハマ恐竜博には期待していなかった。だが、展示点数やレア度からしても、初日に訪問してよかったと実に満足している。